六 奈良山万葉紀行 生駒山 夕されば ひぐらし来鳴く 生駒山 越えてぞ吾が来る 妹が目を欲り (15・3589 秦 間満)
そらみつ 倭の国 あをによし 奈良山越えて 山城の 管木の原 ちはやぶる 宇治の渡 和銅3年庚戌の春2月、藤原宮より寧楽宮に還りましし時に、 飛鳥の 明日香の里を 置きて去なば 君があたりは 見えずかもあらむ(1・78 ) 1にいふ 君があたりを見ずてかもあらむ
天皇の 御命かしこみ 柔びにし 家をおき あをによし 寧楽の家には よろづ代に われも通はむ 忘ると思ふな (1・80) 味酒 三輪の山 あをによし 奈良の山にの 山の際にいかくるまで 道の隈 い積るまでに つがらにも 見つつ行かむを しばしばも 見さけむ山を 情なく 雲の 隠さふべしや 反歌 三輪山を しかも隠すか 雲だにも 情あらなも 隠さふべしや (1・17) 長屋王、馬を寧楽山に駐めて作れる歌2首 佐保過ぎて 寧楽のたむけに 置く幣は 妹を目離れず 相見しめたぞ(3・300) 磐が根の こごしき山を 越えかねて 哭には泣くとも 色に出でめやも(3・301)
笠郎女、大伴宿袮家持に贈れる歌 君に恋ひ 甚も術なみ 平山の 小松が下に 立ち嘆くかも (4・593)
佐保山を 凡に見しかど 今見れば 山なつかしも 風吹くなゆめ (7・1333) 卯の花も いまだ咲かねば ほととぎす 佐保の山辺に 来鳴きとよもす (8・1477 家持) 君が行 け長くなりのぬ 山尋ね 迎へか行かむ 待つちにか待たむ (2・85) かくばかり 恋ひつつあらずは 高山の 岩根し枕きて 死なましものを(2・86) 在りつつも 君をば待たむ うち靡く 吾が黒髪に 霜の置くまでに (2・87) 秋の田の 穂の上に 霧らふ 朝霞 いづへの方に 我が恋ひめやむ (2・88) 水上池 をみなへし 咲き沢に生ふる 花勝見 かつても知らぬ 恋もするかも (4・675 中臣郎女、家持に) をみなへし 咲野に生ふる 白つづじ 知らぬこと以ち 言はれし吾脊 (10 ・1905) 杜若 開沼の菅を 笠に縫ひ 著む日を待つに 年ぞ経にける (11・2818) ウワナベ・コナベ古墳・・・法華寺・・・海龍王寺(不比等の旧宅)・・・佐保川 |